椎間板ヘルニアについて

当院に来院される方の中でもすごく多いのが、

 

「病院で椎間板ヘルニアだと言われました。。。」

 

とおっしゃられる方です。

 

 

診断は出たがなかなか症状が改善されず、色々な施術を受けてきたが良くならないという話もよく聞きます。

 

 

じゃあなぜその症状が改善しないのか、そもそもヘルニアをどのように考え、どのように施術をするのか、あとその矛盾点について記事にしていきます。

 

 

 

目次

1 一般的なヘルニアの解釈

    a) ガーデンホースセオリー、ナーブピンチングセオリー、神経の流れが悪くなる

    b) SLR陽性(ラセーグ徴候)、前屈で痛くなる

2 一般的な治療法

      a) 手術

    b) マッケンジー体操

    c) 温める

    d) 腰椎牽引
3 一般的な解釈の矛盾点    

             a)神経経路の位置

     b)神経の流れが悪くなる?

             c)神経の構造

     d)1995年の研究

             e)治療法

 

 

 

このブログで伝えたいこと。。。

 

・ヘルニアと腰痛、坐骨神経痛との関与は殆ど無い

 

・神経圧迫では痛みが出ない

 

 

 

 

初めに、今まで一般的に言われてきたヘルニアの常識を見ていきます。

 

 

 

 

1)一般的なヘルニアの解釈

 

a ガーデンホース・セオリー 、ナーブピンチング・セオリー

椎間板が後方に突出することにより、神経が圧迫され、痛みが生じる

水を出した状態のホースをつまむと、水が出なく(出にくく)なるのと同じように、神経が圧迫を受けると流れが悪くなり、痛みが出るとされる

 

b SLR陽性(ラセーグ徴候)、前屈で痛む

前屈をして背骨を丸めると、椎間板がより後方へ押し出されるので、圧迫が強くなる

SLR検査で35°~70°で坐骨神経に負荷がかかり、痛み、痺れが誘発される

 

 

 

 

 

 

2)一般的な治療

 

a 手術

椎間板の突出した部分を取り除き、圧迫をなくす

 

b マッケンジー体操

腰を反る動作を行い、突出した椎間板を元の位置に戻すような動きをする

 

c 温める

血流を促進し、筋肉を弛緩させる

 

d 牽引

骨と骨の間を広げ椎間板部の圧力を陰圧にすることで、突出した椎間板が元の位置に戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

ということが今までのヘルニアの常識とされています。

 

色々な本を読んでも、このような理論の元にこういう運動をしましょう、このコルセットをしましょう、こんなストレッチをしましょう、と説明をされています。

そもそも僕たちが学生の頃も学校ではこのように習いました。

 

では、この一般常識のおかしいところを見ていきましょう!!!

 

 

 

 

 

 

 

3)矛盾点

 

a 神経経路の位置

 

 

椎間板は神経の前にあります、ということは、椎間板が飛び出して神経を圧迫する際には神経の前方部分を圧迫します。

ですが、2つ目の画像のようなヘルニアが多いとされているのですが、前にあるのは前根(上の画像では運動神経根)が圧迫されます。

つまり、圧迫で症状がでるなら痛み(感覚)でなく、運動障害なはずです。

ちなみに、もう一つ圧迫を受けやすい位置にあるのが前脊髄視床路であり、これは確かに痛みを伝える経路なのですが、この経路は反対側からきた信号を伝える経路です。

つまり、この経路の右側で問題が起きると左側に症状が出ます。

2つ目のように右側を押して右側に症状は出ません。

 

 

 

b 神経の流れが悪くなる?

神経が圧迫されると流れが悪くなるというのは、神経が水のように流れているという考えのもとに言われるのですが、実際神経系の経路で行われているのは電気的な流れで脳まで伝えています。

なので、コンセントなどで考えてもわかると思いますが、圧迫しても、ぐるぐる巻きにしても断線していなければ正常に電気は流れ、その先のスマホも充電できます。

なので神経が圧迫されていても、断線していなければ基本的には正常に働きます。

断線が起これば痛みどころではなく麻痺がおこりますしね。

 

 

c 神経の構造

神経はたくさんの繊維が束ねられ、その束ねた物を集めてさらに大きく束ね。。。と、何層にもなっているのですが、その中は神経線維だけでなく、血管や脂肪組織もたくさん含まれています。

特にその脂肪組織が緩衝材の役割を果たし、圧迫を受けても神経に影響が出にくくなっています。

 

 

d 1995年の研究

1995年国際腰椎学会から発表された研究で腰痛界のノーベル賞といわれる「ボルボ賞」を受賞した論文では、

腰痛のない健常者46名の腰部を調べたところ、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。

となっています。

つまり、ヘルニアや椎間板変性は痛みとは関係なく、むしろ誰にでもあるようなものとわかりました。

しかも1995年(平成7年)に。。。

もう”新”常識とかではなく、だいぶ前から分かっていたんですね。。。

 

 

e 治療法

今までの治療法は「神経を圧迫して症状がでている」として行われてきたので、だとしたら全て見直す必要があるのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

このように、物理的に考えても、科学的に考えてもヘルニアで腰が痛むのは理論的におかしいのです。

 

1995年の時点でヘルニアと腰痛の因果関係が低いと分かっているのに、未だに日本では

 

「ヘルニアがあるから痛い」

 

という常識や固定観念が蔓延しています。

 

 

この記事を読んでいただいた方はもう固定観念にとらわれず、正しい情報で判断できるとおもいます。

 

 

正しい情報を仕入れ、より症状の悩まされることのないようにしていきましょう!!

 

 

 

 

 

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