耳鳴りは、日本人口の10~20%もの人が経験したことのある症状だと言われており、決して珍しい症状ではありません。
耳鳴り診療ガイドラインによると、普段耳鳴りのない人でも、無響室という音のない部屋では8割の方が耳鳴りを感じるという研究もあります。
なので、シーンとした空間でほんの少し音がなっているというのは異常ではなく、誰にでもあるような症状なので心配しなくてもいいのですが、普段から耳鳴りに苦しんでいる方も日本で200~300万人もいると言われています。
このように多くの人が抱えている症状ですが、どのような原因で耳鳴りが起こってくるのでしょうか?
今回は3つに絞って書いていきます。
①三叉神経の問題
少し詳しい方だと、耳鳴りなのになぜ三叉神経?と、疑問に持たれるかもしれませんが、これも耳鳴りに大きく関係してきます。
耳の中、鼓膜には鼓膜張筋という筋肉がついており、静かなところでは鼓膜を緊張させ音を聞こえやすく調節し、うるさい環境では音を聞こえづらくするために鼓膜を緩めたりして音の調節をしています。
この鼓膜張筋も筋肉なので仮にこの筋肉の緊張が強くなっていると、拾わなくていい音まで拾ってしまうので耳鳴りとして感知してしまいます。
なので、耳鳴りの症状では、三叉神経の状態を確認することも大切になります。
②顔面神経の問題
これもまたなぜと思われるかもしれないのですが、これも耳の中にアブミ骨筋という筋肉があり、音を伝えるのにかかわってきます。
この筋肉が緊張すると、音を伝えづらくして、この筋肉が緩むと、音を伝えやすくなります。
なので、三叉神経の鼓膜張筋とは逆で、顔面神経のアブミ骨筋は働きが悪くなると拾わなくていい音を伝えすぎてしまって耳鳴りと感知してしまいます。
③大脳(皮質)の問題
音が耳から入ってきて、最終的には大脳皮質に伝えられ、ここで初めて音が鳴ってると感知されます。なので、耳や鼓膜、上に書いた筋肉がどれだけ正常に働いていても、大脳皮質がうまく働いていなければ問題が起きてしまいます。
よく言われるのが、何かしらの原因で大脳皮質に問題が起こり、一部の音をうまく聞くことが出来なくなってしまうと、脳がその音を聞こうとしてわざとより過敏な状態になってしまいます。
その過敏な状態が他の拾わなくていい音を拾う原因となり、耳鳴りとして感知されてしまいます。
まとめ
耳鳴りと言ってもその人一人一人身体の状態が違うので、耳鳴りの時はこれをすればいいというように決まったものはありません。
ですが、その中での今回書いた3つの原因で症状が出ている方もかなり多く、適切な施術を行うことにより症状が緩和、改善したという声も沢山頂きます。
普段は痛みをメインで見ていますが、痛み以外の症状も対応できることがあるので何かしらの症状でお困りの方は一度相談してみてください。
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